きょうはK重工の株主総会の日です。
小林少年が、ほほをかがやかせて、株主総会のかいじょうへやってきました。 うけつけのおじさんが「こらこら、ここは子どもが来るところじゃないよ」といって小林君をとめました。 小林君は「ぼく、株主です」と言って、あんないじょうをうけつけのおじさんに見せました。 「これは失礼しました」と、うけつけのおじさんは小林君におじぎをしました。 そうです、小林君は少年株主なのです。 K重工のえらい人に、どうしても言いたいことがあって、おこずかいをためて株を買ったのです。 かいじょうでは、いろんな人が、会社のけいえいについて、しつもんをしています。 やがて小林君がしつもんするじゅんばんがきました。 小林君は、こんなにたくさんの大人の前で話をするのははじめてなので、とてもどきどきしましたが、ゆうきをだしていいました。 「キ91をつくってください。そしてアメリカをばくげきしてください。 ぼくのひいおじいさんは、B29のばくげきで死にました。 ひいおじいさんが死んだので、家はびんぼうになり、おじいさんは学校へいけませんでした。 おじいさんは、それがとてもくやしかったと、いつもいっています。 だから、ぜひ、ひいおじいさんのかたきをうってほしいのです。 キ91は、B29よりすぐれているとききました。キ91があれば、アメリカにかてるとおもいます。」 するとどうでしょう。K重工のえらい人たちは、まっさおになって、あつまってそうだんをはじめました。 やがて、いちばんえらそうな人が、マイクをとって言いました。 「たしかにキ91は、ゆうしゅうなひこうきでした。 わたしたちは、いっしょうけんめいせっけいをしました。 でも、よいエンジンができなかったので、つくるのをあきらめたのです。 エンジンはM重工がたんとうしていたので、もんくはそちらに言ってください。」 小林君はがっかりしましたが、すぐに気をとりなおして、 「よし、来年はM重工の株主総会にでよう。また、おこずかいをためて株を買うんだ。」 とちかいました。 スポンサーサイト
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F重工の株主総会は粛々と進行していった。
まもなく閉会というときに、突然一人の老人が発言を求めた。 老人は枯れ草のようなまばらな白髪に、ほうきのような白いあごひげを生やし、鶴のように痩せて、顔には深いしわが刻まれている。 一見して90歳を超えているかと思われるたいへんな高齢だ。 すり切れた背広によれよれのシャツという、おそよ株主総会にはふさわしからぬみすぼらしい姿だが、壇上の経営陣の顔に緊張が走ったところをみると、案外大株主なのかもしれない。 老人は、震える手でマイクを握り、曲がった背筋をしゃんと伸ばし、雑木林を吹き抜ける空っ風のようなかすれた声で叫んだ。 「富嶽はまだか!まだ完成しないのか!」 会場にどよめきが起こった。 製品開発担当重役があわてて慇懃無礼に回答した。 「ご質問の趣旨を理解いたしかねます。 弊社には富嶽などという製品はございません。」 「なにをねぼけたことを!」 老人は叫んだ。 「あの幻の超重爆撃機富嶽じゃよ。 わしは若い頃、富嶽の開発にかかわったのじゃ。 あれから60有余年、いくらなんでも、もう完成しておるじゃろう。 わしは生きているうちに富嶽の雄姿を見たいのじゃ。 太平洋を飛び越えて米本土を爆撃する富嶽の雄姿を見るまでは、死んでも死にきれぬのじゃ。」 会場は騒然となった。 「富嶽ってなんだ?」 「戦時中に計画した秘密兵器じゃなかったかな。」 「なんで今頃そんな話を持ち出すんだ。」 「頭がおかしいんじゃないか?」 「静粛にお願いします!」 司会者が叫んだ。 経営陣は額を突き合わせて協議をはじめた。 「あの男が生きていたとは・・・」 「なにもこんなところであの話を持ち出さなくとも・・・」 「これは我が社の、いや我が国の存亡にかかわる重要機密だ。」 「あくまでシラを切るんだ。」 社長が登壇した。 「弊社には富嶽などという製品はありません。 そのような製品を企画・開発している事実もありません。」 「うそをつけ!大株主をだます気か!」 老人は声を限りに叫んだ。 老人は屈強な数人の男に取り押さえられ、無理矢理会場から連れ出されていった。 その後、その老人の姿を見た者はいない。 |
たわむれに先週からブログというものを立ち上げています。
(注:このブログではありません。) 記事は過去の「お言葉」からコピーするだけなので、いたってお手軽です。 人に読まれることを想定していないので、やりたい放題です。 さて、このブログにはアクセス解析サービスというものが付いているので、それを見てみたところ、何と1週間に108ものアクセスがありました。 恐ろしいことです!誰かが見ているのです。 では、みなさんはどんなブラウザで見ているのでしょうか。 Firefox 1.x 44件 Internet Explorer 6.0 42件 DoCoMo 7件 Netscape 2.x 3件 w3m 0.x 1件 BTRON x.x 1件 iCab 2.x 1件 NetPositive 1件 Cyberdog 2.x 1件 au by KDDI 1件 Internet Explorer 5.5 1件 Netscape 5.x 1件 Internet Explorer 5.23 1件 Firefoxが多いのは、私自身がこれで毎日何度もアクセスしているせいです。 あと、w3m、BTRON(正しくは超漢字基本ブラウザ)、iCab、Cyberdog、NetPositiveといったあまり有名でないブラウザでアクセスしたのも私自身です。 まあ、いろんなブラウザでどう見えるかチェックしたわけです。 びっくりしたのはNetscape 2です。 いまどきこんな骨董品を使っている人がいるとは・・・ |
新曲「へえこら節」の録音はとても疲れた。
異常なテンションで力みまくって歌うことを自らに課したのだが、そのせいか致命的な間違いが続いた。 私は何事にも「初回が最高」という性癖があって、歌い直すたびに歌唱が劣化する。 なので多少のミスには目をつぶっているのだが、今回は何度も歌い直すはめになった。 歌っているうちに、意識がもうろうとして、のどが痛くなった。 体力と相談して適当なところで切り上げたのだか、あらためて体力の減退を実感した。 スポーツを忌み嫌っている私だが、体を鍛えねばと感じている。 |
さる財団が、「生理中の女性は白いマフラーを着用すべし」という奇怪なキャンペーンをしています。
白いマフラーをすべき理由については一切述べられていません。 公共の電波や新聞雑誌を使ってこんなキャンペーンをしていいのでしょうか。 そこで、財団に趣旨を問いただしたところ、「理事長の命令で・・・」の一点張り。 この財団は、表向きは公益法人とされていますが、実情は理事長の私有物に等しいようです。 それでは直接理事長に問いただそうと接触を試みたのですが、なにしろ十数社の取締役を務める経済界の大物だけに、なかなかアポイントが取れません。それでも粘り強く交渉した結果、ようやく面会がかないました。 理事長は白いマフラーの理由を容易に語ろうとはしませんでしたが、巧みに誘導してついに聞き出すことに成功しました。 理事長が幼いころ、「少年ジェット」というテレビドラマがあったのだそうです。 その主題歌に「白いマフラーは正義のしるし」という一節があったのですが、理事長は「せいぎ」を「せいり」と間違えて歌ってしまい、友達にさんざん笑われたのだそうです。 理事長は深く心を傷つけられ、成人してもその屈辱が忘れられませんでした。 そして、功成り名遂げた今、むかし自分を笑いものにした友達の鼻をあかしてやろうと、あのようなキャンペーンをしているのだそうです。 なんともあきれた話ではありませんか。 |
小学校低学年の頃の話です。
なにげなくラジオのスイッチを入れたところ 「うおわうわあああー」 という不気味な男の大きな声が飛び出してきたので 「うわわわ、ラジオにお化けが出たあああ!」 と叫んで逃げました。 当時わたしは大変臆病な子供だったのです。 お化けの正体は、英会話の発音練習の声でした。 当時の私にはアメリカ人の声は非常に不気味なものに感じられたのです。 さて、中学に入ると、親の命令でテレビの英会話放送を聞くようになりました。 数回で挫折しましたが、今でもその放送で記憶しているものがあります。 それはRとLの発音の練習で 「レイ」 「レオ」 「レオレオ」 「マロレオレオ」 というものでした。 これはいったいどういう意味なのか長い間謎だったのですが、今日ようやく思い当たる単語が見つかりました。 「レオレオ」とはrailroadではあるまいか。 「マロレオレオ」とはmodel railroadではあるまいか。 というわけで、わたしの聞き取り能力は劣悪です。 ネイティブな人の英語はさっぱりわかりません。 |
穏やかな日曜日の午後。
体調が良かったので、大声で歌ってしまいました。 ふと気がつくと、ドアや窓があいています。 私の部屋はそこそに遮音対策がしてあるのですが、これでは無意味です。 私は声量があるので、隣近所にしっかり聞こえたでしょう。 ああ、はずかしい。 しばらくは近所を歩けません。 録音を聞き直してみると、歌詞が不明瞭だったり、音程が外れていたり、リズムが重かったりと問題が多いのですが、せっかく隣近所に恥をさらして録音したものなので、あえて録り直しせずに公表してしまいました。 お粗末様! |
京浜急行に乗るのは何年ぶりだろうか。
車内は妙に閑散としている。 アナウンスが眠そうな声で 「次は~金沢文庫~」 にわかに身なりの整った青年が立ち上がり、 両手の人差し指を口に突っ込み、 口をニーッと横に引いて、 大きな声で 「かなざわうんこ!」 すると、向かいにすわっていた中年紳士が立ち上がり、 同じように人差し指で口を左右に引いて、 「いわなみうんこ!」 負けじと青年が 「かどかわうんこ!」 負けじと中年紳士が 「しんちょううんこ!」 そうして、二人はネタが切れるまで、うんこの応酬を続けたのだった。 |
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