上司の命により、さる講演会に出かけた。
その日は持病の聴覚過敏症状が出ていた。 特に後方からの物音がつらい状態だったので、いちばん後ろの席を探したが、満席だった。 やむなく、後ろから2番めの席にすわった。 講演の内容はつまらないものだった。 しかし、私の後ろの男は「ふ~ん ふ~ん」と相槌をうっている。 感心するような内容ではないと思うが、何事にも「ふ~ん ふ~ん」と相槌をうつのがこの男の癖なのだろう。 私は、その「ふ~ん ふ~ん」という声が不快でたまらない。 首筋を羽根箒で撫でられているようだ。 振り返って、その男を睨みつけたが、なんで睨みつけられるのか、わからない様子だ。 優しそうな初老の紳士なのだが、外見に似合わず無神経なのだ。 私は「ふ~ん ふ~ん」に耐えた。 やがて、限界に達した。 もうまもなくキレる。 ♪静かに席を立つことが ♪わたしに残された道 (Polyglot 立ち止まるとき) ということで、講演半ばで退席した。 私はなんとわがままなんだろう。 スポンサーサイト
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