全身が腐乱し、苦しみ悶えて死ぬという恐ろしい病気が発生しました。
当初、腐劫病と名付けられましたが、大金持ちだけが発病するので、すぐに富豪病と呼ばれるようになりました。 政府は、富豪病対策に無制限の予算執行を許可し、医学者を総動員して研究にとりかかりました。 政府が誰のためにあるのかが明白になったわけですが、ともあれ富豪病の発生メカニズムはすぐに解明されました。 お金には毒があります。 お金をたくさん持っている人には、お金の毒素から身体を守るため、ネカチモンという抗体が形成されます。 血中のネカチモン濃度は、保有しているお金の額に比例します。 富豪病の原因となる富豪病菌は、繁殖力が非常に弱く、通常では無害な菌なのですが、ネカチモンが大好きで、ネカチモンを食って爆発的に増殖し、身体を徹底的に蝕むのです。 また、富豪病菌はきわめて耐性が強く、既存の薬剤では駆除することができません。 当面の対策としては、ネカチモン濃度を下げることですが、そのためには貧乏にならなければなりません。 それは富豪にとって死ぬよりつらいことです。 ということで、お金を持ったままネカチモン濃度を下げるという研究に莫大な国家予算がつぎこまれました。 そして、ついにネカチモン濃度を下げる薬剤「ネカチモバスター」が完成しました。 富豪たちは、こぞってネカチモバスターを飲みました。 ネカチモン濃度はみるみる下がり、富豪病の恐怖は去りました。 しかし、ネカチモンを失った富豪たちは、お金の毒素にあたって死んでしまいました。 スポンサーサイト
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