某国は構造改革と称して熾烈な弱肉強食の競争原理を導入し、金銭万能社会を作り出したので、国民の道徳は退廃を極め、己の利益のためには手段を選ばぬようになり治安が極度に悪化したので、国民を相互監視させるため通報義務制度を設けたところ、競争相手を失墜させるために当局に虚偽の通報を行うことが日常的に行われるようになり、警察・司法が混乱し収拾がつかない状況になってしまったので、一般人の通報を禁じ、国家資格の「通報書士」を設けることにしたところ、通報書士は絶大な権力を持つようになり、たちまち腐敗堕落して金を積めば平気で虚偽の通報をするようになったので、人々は通報書士を恐れて貢ぎ物をして通報しないよう頼むことが当たり前のように行われるようになり、貢ぎ物を惜しんだ多くの無辜の市民が通報書士の虚偽の通報により逮捕されたが、当局はこれを捜査などせずに起訴してしまい、すべてが有罪となり幾多の善良な市民が獄につながれることになったが、これはいわば犯罪捜査・司法の民営化とも考えられ、多額の歳出が節減できるとして警察や検察の大幅な人員削減・組織縮小を断行し、浮いた費用を軍備拡張に充てようとしたところ、軍需産業から多額の賄賂が寄せられて政府としては一挙両得となったが、いかに多くの通報書士を抱えるかが企業の生き残り戦略となり、幾多の善良な企業が虚偽の通報のために廃業に追い込まれたことか。ああうそつきが栄える末法の世よ。
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