私は言葉がないと曲ができない。
言葉のついていない曲想は、思い浮かぶそばから忘れてしまう。 インスツルメンタルというのは、完成したためしがない。 最近は体をいたわりすぎているためか、気の利いた言葉が出てこない。 ひとつインスツルメンタルでも試みるかと思い、ベッドに入った。 (何か間違っているような気もするが・・・) 脳内即興演奏である。 最初は自由に音を遊ばせてみる。 調性がほとんどない状態。新ウイーン楽派の卑俗な模倣みたいだ。 少し手綱を締めて調性に留まるようにすると、ショスタコーヴィッチの卑俗な模倣みたいになる。 もっと手綱を締めると、北朝鮮歌曲の卑俗な模倣みたいになる。 ポップな曲想など全く出てこない。 まあ、私の才能なんてこの程度だと思い、寝ることにした。 猫がうるさい。近所に猫を飼っている家はないので、野良猫だろう。 ひとしきり猫が騒いだあと、今度は犬が吠えだした。 あちこちで吠えている。人の声もする。 時計を見ると3時である。 まずい、寝なければと思ったが眠れない。 頭の中で不愉快な音楽が鳴っている。 そのうち小鳥がさえずりだした。 バイクの音がする。 新聞配達が来た。 とうとう朝になってしまった。 ということで、インスツルメンタルを考えるのは体に良くないという結論になった。 スポンサーサイト
|
|
| HOME |
|